ドローンによる医薬品輸送サービスの社会実装に向けてドローンポートを用いた医薬品授受管理の実証を実施しました

実証実験のご案内

株式会社三菱総合研究所は、事業プロモーターとして東京都の委託を受け、ドローンを活用した物流ビジネスの社会実装が期待されるプロジェクトとして2022年7月28日に選定された、KDDIコンソーシアム(KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社、日本航空株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ウェザーニューズ、株式会社メディセオ)を支援しています。このプロジェクトにおいてKDDIコンソーシアムは、ドローンを活用した医療物資輸送の検証を実施しました。

この実証実験は、都内におけるドローン物流サービスの早期の社会実装を目指すもので、2022年度はドローンの遠隔自動飛行による医療物資輸送を1カ月間実施し、安全性を検証したほか、小学校でドローン教室を実施するなど、地域住民の認知度・理解度向上にも取り組みました。2023年度は第1回目の実証として、昨年12月に日本で初めて1、医薬品をドローンのレベル4飛行で輸送し、ドローンによる医療物資輸送サービス開発にあたっての課題抽出を行いました。
2023年度の第2回目の実証は、今後のドローンによる医療物資輸送サービス開発にあたっての課題抽出を行うことを目的とし、ドローンポートを用いた医薬品の授受管理検証を行いました。

1:本プロジェクトにおけるレベル4飛行は日本国内としては3事例目となりますが、医薬品のレベル4飛行による輸送としては国内初の事例です。

開催概要

ドローン物流の実装に向け、ドローンポートの有効性および業務フローの検証を、2024年2月13日から22日に実施しました。
都心部におけるドローンサービスの実現に向けては、ドローンによって配送された物品の授受管理や、離着陸地点における第三者の安全確保が必要となります。これまでの実証ではドローンが着陸する際の安全管理をしたり、運んできた荷物を受け取ったりするための人員を配置する必要があり、省人化に課題がありました。
今回の実証では、医療機関に隣接した場所に、荷物の格納が可能なドローンポートを配置することで、ドローンによる医療物資輸送サービスに求められる離着陸時の安全確保・配送物の授受管理・利便性の検証を行いました。

日時

2024年2月13日(火)から2024年2月22日(木)までの9:00~13:00ごろ

主催

KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社、日本航空株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ウェザーニューズ、株式会社メディセオ

場所

東京都江東区豊洲5丁目

医療物資輸送ルート
国土地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)に基づき当社作成

使用ポート

IHI運搬機械社製ドローンポート

IHI運搬機械社製ドローンポート

使用機体

株式会社ACSL社製「PF2」

株式会社ACSL社製「PF2」

ドローンポートの運用フロー

本実証におけるドローンポートの運用フローは、ドローンが配送した医薬品がドローンポートに格納されると、病院担当者へ荷物到着を伝えるメールが届くことを想定して実施しました。連絡を受けた医療スタッフは、メールに記載のドローンポート受け取り暗証番号をドローンポートの電子パネルに入力することで、配送された医薬品の受け取りが可能になります。

ドローンポートの運用フロー
ドローンポートの運用フロー

実証結果

実証期間中、東京都病院薬剤師会の聖路加国際病院・後藤先生、昭和大学江東豊洲病院・柏原先生、がん研究会有明病院・山口先生、東京臨海病院・藤田先生をはじめとした病院関係者約40名にお越しいただき、ドローンポートを用いた医薬品輸送を体験いただきました。
体験いただいた多くの方からは、「ドローンポートを省スペース化し、病院の屋上など院内に設置してほしい」というコメントをいただきました。また、東京都病院薬剤師会会長の後藤先生からは、「医薬品を受け取るだけではなく、病院からの発送も可能になれば、薬の返品もできるのに加え、緊急時の病院間での医薬品の融通も期待できる」といったコメントや、「ドローンポートを利用し夜間にも医薬品の配送が可能になると、病院および医薬品卸会社の双方で人員が少ない時間帯の省人化につながる」など、将来の医薬品物流の進展にますます期待が高まった旨のコメントをいただきました。
社会実装に向けては、設置場所に適したサイズのドローンポートの開発が求められていること、ドローンポートとドローン間のシステム連携が必要であること、高精度な着陸能力やより多くのペイロードを運搬できるドローンの開発が求められていることなどの課題・期待を把握しました。

本実証の様子
本実証の様子

今後の展開

本実証における医薬品輸送検証を通じて、技術面や運用面、ビジネス面の課題を抽出し、恒常的なドローンの飛行に必要な安全運航体制やビジネスモデルの検討を行います。また、将来的に都心部でのレベル4飛行を見据えた長期的なドローンのサービス実証を行う予定です。また、2024年度には都心部でのレベル4飛行を見据えた長期的なドローンのサービス実証を行う予定です。

内容に関するお問い合わせ

株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
担当:宝川、石塚、丸山
Tel:03-6858-3729/080-6771-9359
E-mail:drone_tokyo@ml.mri.co.jp

なお実証飛行の詳細については、実施主体であるKDDI株式会社の下記窓口にお問い合わせください。

KDDI株式会社 広報部
Tel:03-6678-0690

更新:2024.2.27

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